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スターター論⑧

ベテランAさんの 出番が終わり 次は ベテランBさんに。

もう 手慣れたもので 完璧に スタートの合図を出している ベテランBさん。

『用意』の言い方を聞いてみても なんとも やさしい感じがあり 緊張感もあり さすが! という感じ・・・

お仕事が終わった ベテランAさんが戻ってきた。

「お疲れ様です。 やはり 国際大会で 打っているだけあって さすがですね!」

「もう 何十年もやっているから 緊張感もないよ。」

「なんか さっき聞いた話だと かなりの スタートに うんちくがあると伺ったのですが・・・」

「スタートに うんちくなんてないよ。 出やすいように 打てばいいだけだよ。」

「その 『出やすいように』が 難しいですよね。」

はじめは 『スタートの うんちくなんて ない!』と おっしゃっていた ベテランAさんでしたが・・・

「用意っていう合図はね 『どうぞ どうぞ』という気持ちでやるんだよ。」

「どうぞ どうぞ ですか・・・」

「そう。 どうぞどうぞ よくいらっしゃいました。 どうぞどうぞ 上手に合図を出しますから 安心してスタートしてくださいね。 どうぞどうぞっていう気持ちでね。」

「スターターに 合わせてもらう という感じじゃないんですね。」

「それはそうだよ。 結局は 合図に合わせることになるけど スターターは いかに 出やすいようにもっていくか・・・ そこに スターターの技術があるんだよ。」

「出やすいようにもっていく・・・ 難しいですね。」

「もうね ぼくは 入場してくる選手を見ると 『あの人はフライングをしそう』だとか 『緊張しすぎてる』とか 顔と動きを見れば すぐにわかるんだよね。」

「そうなんですか。」

「フライングしそうな人とか 緊張している人は スタートに失敗しやすいと思うでしょ。」

「そうですね・・・」

「それでもね 『用意』の合図の言い方だけで フライングしそうな人や 緊張しすぎている人を 落ち着かせることができるんだよ。 もしかしたら フライングしてしまったかもしれないところを 『用意』の言い方一つで 救うことができるんだよ。」

「それは すごいことですね。」

「だから 『用意』の一言は とっても重要なんだよ。」

「そうなんだ~ なんか ためになります。」

「あとはね 構えを見抜くのも 経験でわかってくるよ。」

「構えを見抜く?」

「用意の合図で 構えをするでしょ。 なかなか かがまない人がいたとして その人がかがむのを待っていると 打つタイミングが遅くなって フライングしてしまう人が出るてしまうんだけど 実は かがまない状態が その人のスタートの構えだったりするんだよ。」

「なるほど・・・」

「人によって 構える動作がゆっくりだったり しっかり かがまない人もいるから その人の構えが終わったということが パッと見抜けると いいタイミングを出せるんだよね。」

「なるほど・・・ 」

まだまだ続きそうな うんちくの数々でしたが 30分がたってしまい 再び わたしの出番がまわってきました。

「すみません。 そろそろ私の出番のようなので 行ってきます。」

「あ~ がんばって。 落ち着いてね。 いいスタートを打ってきてください!」

「はい。 ありがとうございます!」

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